新潟柔道闘魂列伝①新潟県警 五十嵐遼介 〜切れ味MAX 伝家の宝刀STO!!〜

今回のシリーズは、
僕の故郷・新潟での柔道界に名を残す柔道家に照準を合わせていきます。
何を隠そう僕は中学生時代に柔道部に所属していました。
多感な時期ということもありますが、
柔の道を歩み続ける中で経験できたことは
間違いなく今の僕を形成している大事な一部分でもあり、ルーツの一つだと感じています。
例えば、
① 現実や勝負への厳しさ、
② 目標に向けて努力すること、
③ 半殺し上等!生死の危機を乗り越えるパワハラ耐性、
など生きるための力を身につけることができました。

このシリーズは、
そんな僕を形成してくれた
新潟柔道界を彩る最強柔道家たちをご紹介していきます。
彼らが残す闘魂が未来の柔道家達に伝承される一助になればと思います。

まずは一発目!

①新潟県警 五十嵐遼介

新潟県警所属こと安田中出身の五十嵐選手です。

https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/53368
五十嵐さんは先日の全日本選手権にも33歳で出場するなど、
相変わらずの超人っぷりを発揮されているようですね。
柔道の全日本選手権は無差別級で行われ、
日本柔道界最強のパウンド・フォー・パウンドを決める決戦です。
東京五輪で見事、金メダルを取った
軽量級の大野選手、高藤選手も全日本選手権に出場し話題となりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220429/k10013605351000.html
彼らオリンピアンが重量級の怪物たちに挑んでいく夢興行。
格闘技界でいうと『THE MACTH 2022』みたいな感じでしょうかね。

しかし大野、高藤選手も初戦で重量級の怪物達にぶっ飛ばされ、
コンタクトスポーツにおいての体格の優位性をこれでもかと現実を見せつけられました。

そんな柔道家にとって夢の舞台に
我ら新潟こと北信越代表で安田中出身の五十嵐さんが上がり、
更には選手宣誓まで務められました。
そして、初戦の相手は


東京五輪団体戦での銀メダリスト向選手。
地方の社会人大会では敵なしの五十嵐さんでもオリンピアンには全く歯が立ちません。
得意の小内、小外、支釣込足を出しますが、向さんにはビクともしません。
見る前からわかっちゃいるけど、これだけの実力差があると寂しくもあります。

なんて言ったて、
誰よりも五十嵐さんの強さを知っているのは、僕世代の柔道部出身者です。
特に僕は中学時代、五十嵐さんと同い年で同階級(60,66kg)だったので、
試合やら練習やらでよくボコられました。

当時の五十嵐さんは身体の線は細かったのですが、
組力が半端なく、奥襟組まれたら何にも出来ません。道着を掴まれたらグリップ力がハンパなく、胃の中の蛙状態。崩しだけで身体が浮かされ全く抵抗できずボコられます。


そして、
STOを連想させる必殺!大外刈りを筆頭に、

掛かったら倒すまで離れないスパイダー小外掛けでボコボコ投げ飛ばし、
高校時代から解禁された裏三角ではバンバン相手を絞め落としていましたからね。


普段は優しいのに、畳の上では殺傷能力抜群、破壊力抜群の柔道家に化けます。

僕も新発田のカルチャーセンターの合同練習ではボコられ、
鳥屋野のケーキ杯ではぶん投げられ、
彼との圧倒的な実力差を通じて、
努力しても叶わぬことはある。
と、中学生ながら悟ることができました。

そんな彼が、31歳での全日本初出場、
33歳では選手宣誓まで務めるとは
正直思っていませんでした。
五十嵐さんの積み上げてきた努力量は到底、僕には想像できないし、
畳での礼儀作法から感じる人間性にも頭が上がりません。

だからこそ、五十嵐さんが戦い続けるのであれば、
後ろ姿を見続けていた弱小柔道家の僕も戦い続けます。

何故なら彼の凄さを体感し、感動をさせられた1人だからです。
五十嵐さんは安田中1年のとき既に副将で試合に出場し
BSN杯にて相手は吉田中の体重差30kgはあろう巨漢選手を内股でぶん投げ、
鳥屋野体育館は大フィーバー。

豊高時代は3年の時インターハイで、
当時北京オリンピック代表校候補の桐蔭・森田をバックドロップでぶん投げ、
新潟日報スポーツ欄に大きく取り上げられるなど、新潟柔道界で旋風を巻き起こしていました。

東海大進学後は1年生で全日本ジュニア3位に上り詰めるなど、
柔道を辞めた僕にも彼の活躍っぷりは風の噂が流れてくるほど。

20代半ばにも新潟日報で特集されていた事も知り、改めてヤバい選手だったんだなあと感じた記憶も新しい。

そして、こうして僕が30過ぎたオジさんになった今でも噂が伝わってくるなんて
夢にも思っても見ませんでした。
しかし、僕はその背中を見せてくれる五十嵐さんをいつまでも応援していますし、
追いかけていきます。

以上、僕の人生の中でも憧れの超人柔道家・五十嵐遼介さんのご紹介でした。
次回はあの伝説の先生について書いていきますよ!